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第37話 初めてのホテル

last update Date de publication: 2026-04-24 08:23:12

拳の主は——佐伯 澄人。

俺の彼氏。文句なしの超絶イケメン。

ただしバイトのやる気はゼロ、デートも気まぐれ、冷たくて嫉妬深くて、

性欲だけは人の三倍……いや、四倍ある。

歪んでて、扱いづらくて、それでもどうしようもなく好きな、俺の恋人。

佐伯はゆっくり俺を見つめる。

その目は一切笑っていなくて、むしろ殺気を孕んでいた。

「……ね? 小瀧」

そう言いながら、俺の腕を支えて立たせ、顔をじろっと覗き込む。

ガチで怒っていることは、一秒で分かった。

「いや……もっと飲んでたいなぁ~、なんて……」

悪あがき。このまま帰ったら殺されそう。

俺が引きつった笑みを浮かべると、佐伯は逆に——にっこりと、優しい笑顔をつくった。

「今にも吐きそうな顔だから、まずはトイレ行こうか。ね?」

そう。キレると口元だけ笑うのが、佐伯のクセ。

俺はほぼ半強制的に、引き摺られながらトイレへ拉致された。

個室のドアを閉めると、腕を組んだまま佐伯が俺を見下ろす。

「何杯飲んだ?」

「え〜……わかんない……みんな優しくてぇ……俺もなんか、嬉しくなっちゃって〜……」

「嬉しくな
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